「旅情」 ベネチアに行く前に見よう! [映画]
イタリアに初めて訪れたとき、宿泊したのが「ラ・ホテル・カルチナ」というホテルだ。
イタリア語では「H」は発音しないから「ラ・オテル・カルチナ」だ。
ヴァポレット各駅停車でアカデミア橋で下車し、サン・トロヴァ-ゾ運河を抜けると
目の前に海が広がり、ユースホステルのあるシューデッカ島を臨むところにあった。
主人公ジェーンが宿泊したペンショーネ・フィオリーニとは反対側に位置していた。
そのイタリア旅行から帰ってきて、たまたまレンタルしてこの映画を観たところ、
自分が歩いた街そのままが映像に出てきて面食らったのと、さらにはあまり50年前と
街の様子が変わっていないことに更に面食らった。
このアカデミア橋周辺からは、歩いてサン・マルコ広場にも行けるし、ヴァポレットが多く
発着するザッテレはすぐ近く。それでいて人もまばらで、静かな時を過ごすには最適な場所だ。
さて肝心の映画だが、失った若い時間を取り戻しにオハイオから貯金をはたいて欧州へ
やってきた主人公がはじめてとも思える胸を焦がす恋に落ちる。相手をするイタリア人は案外
遊び半分というか、妻と別居中の寂しさを紛らわしたい気持ちもあるのだろうが・・・。
ラストは珠玉の名シーンのひとつだ。腕がちぎれんばかりに手を振る彼女。
プレゼントを渡そうとホームを走る男。そのプレゼントは彼女の手に渡ることはなかったが、
大事何かを受け取ってオハイオへの帰途に付いたのだった。
この時代のハリウッド映画が見ていて安心できるのは、やはり基本に忠実だということだ。
また覆線がうまく使われている。ジェーンがデートの別れ際にくちなしの花を運河に落としてしまいレナ-トがそれを何とかすくいあげようとするのだが、むなしくくちなしの花は流れていってしまう。
このシーンがラストの別れのシーンを思わせる。
※画像はレナートの視線です。イタリア男はこういうところに女を感じるのでしょうか?
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